Zohoとは?
(宮井)今船井総研でZohoというツールを使ったマーケティングが、すごく成果を上げているということなので、今回はZohoの支援をしている曽根さんにお話をお聞きしたいと思います。
曽根さん よろしくお願いします。
(曽根)よろしくお願いします。
(宮井)いきなりなのですが、Zohoって何でしょうか?
(曽根)Zohoはちょっと分かり辛いものではありますが、何でもできるビジネスツールです。
Zohoはマーケティングにも使えますし、経理にも使えます。
かつ組織関係周りのメールや人事管理もできますし、本当にいろんなことがZohoでできるようになっています。
それを中小企業は全部まとめて使うかというとそういうわけではなく、自社で足りていない部分だけ使っていくことができます。
Zohoには大体45以上のアプリがありまして、それをどう組み合わせていくのかで、自社に必要な機能だけZohoで活用し補えるようになっております。
他にもこういうビジネスツールはありますが、比較的安いコストで利用できるので、中小企業と比較的相性が良いと思います。
(宮井)45個もツールがあるんですね!
そのうち曽根さんがよくマーケティングで使われているのは、何ツールぐらいあるんですか。
(曽根)大体6つぐらいのツールを活用しております。
その6つを全部個別に契約する必要はなく「CRM Plus」というものがございます。
それを契約して頂くとマーケティングに使えるメインの6つのツールがついてきます。
Zohoを導入するとどれくらい成果が出るのか?
(宮井)そのZohoを使ってどれくらいの成果が出ているのか教えて頂けますか?
(曽根)今はZohoを活用している会社様で、自動車販売店にはなりますが、問い合わせ件数としては、昨対で200%ぐらい伸びている会社様が出てきております。
具体的には、例えば一昨年の10月で49件の問い合わせしかなかった会社様が、昨年の10月では110件ぐらいの問い合わせが来ていたりもしています。
それぐらいZohoを入れると問い合わせ件数としては増えていく傾向です。
ただし、自動車販売店の場合、台数を作っていかないと意味がありませんので、問い合わせが増えただけではなく、10月で比較しても一昨年が23台、昨年41台で台数もきちんと伸ばされています。
このような形でZohoを入れると、問い合わせ件数も増やせて、かつZoho経由の契約台数も増やせるので、安価なコストでこれだけインパクトを作れるので、Zohoはかなりマーケティングで使えるツールだと思っております。
(宮井)200%って凄いですね!
なかなか他にないのではないかと思います。
Zohoを入れなかったら、曽根さんがお手伝いしても無理でしたか?
(曽根)Zohoを入れる前ですと、昨対で大体平均して130%ぐらいしか問い合わせ数としては増えていません。
しかし、Zohoを入れることによって、更にプラス70%~80%ぐらい作れるようになったので、やはり今までのように人が考えて何か仕掛けを入れていくというよりも成果が出ています。
例えばZohoを入れると
・チャットボットが追加できたり、
・ポップアップが追加できたり、
・問い合わせ頂いたお客様がどんなページを過去に見ていて、どういう所をもっと改善していけば、より問い合わせをしやすくなるのかが全て分かってくる
ので、人間が考えられる領域よりも幅が広がって、反響が出てくるというのがZohoかなと思っております。
Zohoを導入して実施していることは?
(宮井)Zohoで何をしているのかを教えてください。
(曽根)Zohoでやっていることは、先程6つのツールの話をさせて頂きましたが、結構いろいろあります。
先程もお伝えしました問い合わせを増やすという文脈ですと、チャットボットを導入したりとか、ポップアップを追加したりしています。
チャットボットが何かというと、サイトを見ている時によく右下とか左下にポンと出てくると思うんですが、それをクリックすると、例えば
「今どんなことでお悩みですか」
「お悩みのものをこの中からお選び下さい」
というものが出てきて、そこをクリックすると、それについてもう少し深堀りの質問が出てきます。
回答選択をしていくと自分の悩みが解決できるか、解決しなかった場合は、そのままメールアドレスとか電話番号を入れてそのまま問い合わせをすることができます。
(宮井)店舗でスタッフさんとかに質問するような感じで、できるということなんですね。
(曽根)そうですね。
それを事前にこういう順番で、こういうふうに出していくというのを決めておいて、あとはそれを全部自動でやってくれる形になっております。
ポップアップに関しては、例えば、パソコンでサイトを見ていてページを閉じようとすると、ポップアップが出てきて「こういう目玉車があるので見ませんか」であったりとか、「こういうお得な情報があるので見ませんか」というポップアップが出てきたりもします。
スマートフォンでは例えば、50%ぐらいスクロールしたお客様に対して、うちから伝えていきたいお得情報をポップアップで出していって、それをお客さんに見てもらって、その企画の認知率を上げていくこともできます。
(宮井)なぜ50%ぐらいなんですか、最初からではなくて。
(曽根)やはりチャットボットもポップアップも、どのタイミングで出すのかを、いろいろと検証してきましたが、やはりポップアップが、いきなりサイトに入った時に出てきてしまうと、そのポップアップの情報が見たいかというと、そういうわけではないのかなと思っております。
ある程度スクロールをしているということは、その会社の情報に興味があるということなので、そこで一番有益な情報を表に出していくという意味で50%スクロールで設定しております。
同じくチャットボットに関しても、今自動車販売店のホームページの中にも動画を入れるのが主流になっております。
大体15秒から20秒間ぐらいの動画が、サイトのトップに出てくるのですが、その動画を見終わるとチャットボットが大きく表示されるような仕様になっております。
(宮井)そんな細かい設定もできるんですね!
(曽根)はいできます。
お客さんが動画を見て自社を理解してくれて、企画を理解してくれて、その上でチャットボットが立ち上がって「どんな悩みがありますか」と。
そこに回答していくと自分の見たいページに誘導してくれたりとか、そこのページに誘導されても何も分からなかった場合は、チャットボットからそのまま問い合わせができるということで、お客さん的には、わざわざいろんなページを見に行かなくても、そのチャットボットだけ操作すれば自分が見たい情報に、すぐ辿り着けるようになっているというのが、このチャットボットの仕組みになっております。
(曽根)それ以外にも問い合わせを管理していくという機能も、ちゃんとZohoには備わっております。
今まで多くの車屋さんがやっているやり方ですと、問い合わせが発生したら、その内容をスプレッドシートに別途打ち込んで、スプレッドシートで管理していきます。
Zohoを入れると問い合わせが発生した時点で、Zohoの管理画面にデータが入ってくる。
そしてZohoの管理画面上で、そのお客様に対応したかどうか確認できますし、かつ来店したか成約したかも、ちゃんとZoho上で操作しておけば、管理ができるようになっております。
そこから、今月は何件問い合わせが発生して、何組来店したのか、何台成約したのかといういうことを、そのままレポートとして出てくるようになっておりますので、今まで問い合わせが発生したら、スプレッドシートに対応情報を入れて、かつそこからまた分析用のデータに加工して、みたいなことをやってる所が多かったとは思うのですが、そういったものを全部Zohoで一元管理ができるようになっています。
あとは、問い合わせが発生したあとに、今までのようにスプレッドシートに転記しているだけでは、そのお客さんがどこのサイトを見たのか、その後どういう行動をしているのかが分かりませんでした。
そこで、Zoho上で問い合わせを管理することによって、そのお客さんが問い合わせをする前に、実はこういうページを見ていましたとか、問い合わせをした後にまだこういう所を見てるとか、こういう所で悩んでます、というのがニーズとして分かってきます。
そういうお客さんが問い合わせをしてくる表立ったニーズだけではなくて、裏でどんなことを悩んでいるのかを把握できるようになるので、そこを今まで営業マンのほうで営業していたノウハウで対応して頂くことによって、来店率が上がっていく。
そんな仕様になっております。
(宮井)例えば悩んでるというと「この車種と、この車種を比較している」とか、そういうことも分かるということですか。
(曽根)それも勿論分かりますし、例えばN-BOXという車種について問い合わせが来ましたと。
お客様の行動を見ていくと、N-BOXのGグレードを見ていて、そのあとにN-BOXのLグレードを見ていると、その次にN-BOXのカスタムのグレードを見ていて、お客さんはN-BOXが欲しいけど、自分がどのグレードが合うのか分からなくて、結果問い合わせをしてきたんだなということが分かってきます。
問い合わせの状況だけを見ると、この人はN-BOXのこのグレードが欲しいんだと、捉えられてしまうので、お客さんの根っこに持っているニーズと実際に販売店側が捉えるニーズのズレが生じてしまうのが普通の問い合わせフォームなのですが、Zohoを入れるとちゃんとお客さんニーズに沿ったご案内ができます。
(宮井)すごいですね!
以前でしたら、結構なベテラン営業マンしかできなかったようなことが、今Zohoを見れば、そんなに経験のない営業マンでも、ヒアリングできた状態になっているようなことですよね。
(曽根)そうですね。
今までだと例えばベテラン営業マンだと、うまくお客さんのニーズを吸い上げて、最適な車をご提案して成約率が上がっていきますが、やはり若手メンバーだとなかなかヒアリングが弱くなってしまいますので、お客さんが「価格で車を探してます」となった時に、一番安い車をご提案してしまう。
ベテラン営業マンになっていけば、多少価格で探しているとしても、ちゃんと一番納得していい車に乗って頂いて、ただ金額としては高くなってしまうので、ローンを組んでもらって毎月の支払い額は押さえながら、理想の車に乗って頂く提案ができるのが、ベテランかなと思っています。
なので、そういうお客さんのニーズを探りながら、本当に言葉に出てくるのが本心なのか、それとも裏でもっと別の情報を探しているのかも、今までだとベテランしかヒアリングができなかったものが若手でも分かってきますので、そうするとやはり問い合わせから来店してからの成約で大体成約率が80%から90%になっていきます。
ですので、そういう問い合わせを発生させてニーズをつかんで、来店に呼び込んでいくのは自動車販売店でウェブマーケティングをやっていく上では外せないかなと思います。
(宮井)問い合わせが来てそれに対応したかどうか、その入力はどうなるんですか?
そこも自動なんですか?
(曽根)そういう部分はZoho上に追加で打ち込まないといけません。
一方で、メールであったり、ショートメッセージに関しては、全部連携はしているので、メールをしましたとか、ショートメッセージを送りましたということは、Zoho上に自動的に反映されていきます。
(宮井)そこも共有されてるということなんですね!
ブラックボックスにならずに良いですね。
(曽根)今問い合わせを管理する話をさせて頂きましたが、他にもZohoを活用してできることはいくつかあります。
その中でも一番インパクトとして出てきているのが、後追いを自動化していく動きです。
自動車販売店の場合、どうしても目先の業務が忙しくて、日中はなかなかお客さんの来場対応であったりとか、お客さんの納車準備であったりとか、そういうことに時間を取られてしまって、何かプラスアルファで、お客さんの後追いをやっていくのが難しくなっております。
このZohoを入れることによって、例えば、問い合わせを頂いてから1日後にはこういうメールを送っていく、1週間後にはこういうメールを送っていく、ということを自動的に設定することができます。
それを設定することによって、例えば佐藤さんから問い合わせが来たら「佐藤様へ」みたいな形で、そのお客さんの名前もメールの中に含められまして、お客さんとしては、一斉送信されている感じではなく、個別にメッセージが来ている感覚になりますので、お客さんの心理的には良くなっていきます。
そういうところも、来店率が上がってくるポイントになってくるかなと思っております。
(宮井)お客様への連絡方法は、メール以外にも様々な選択肢があるのですか?
(曽根)一部開発は必要になりますが、ショートメッセージの連携もできますし、LINEの連携もできるようになっております。
例えばLINEでやり取りをしたいお客様に関しては、Zoho上でそのままLINEの画面も開いてZoho上でやり取りをしているけれど、お客さんにとってはLINEでやり取りをしているような感覚になりますし、Zohoからそのままショートメッセージを送ることができるので、一回一回スマホからショートメッセージを送るよりも、Zoho上で一元管理ができてしまいます。
あとはZohoの機能として、自動車販売店のほうでよく使われているものですと、管理関係の話になりますが、来場アンケートを電子化して取ったり、毎日の日報の提出もこのZoho上でやってしまうことができます。
やはり今までだと紙でアンケートを取って、そのアンケートの内容をパソコンに打ち込んでと、結構手間が発生していました。
結果的に何が起きるかというと、アンケートには情報があるのに、来場数だけカウントしたいがためにアンケートにある内容を、全部パソコンには打ち込まずに一部だけ入れてしまっていて、ちゃんとデータを活用できてないという環境が、やはり自動車販売店では多く出ております。
それに対してZohoの電子アンケートを入れることによって、少しお客さんにアンケートを取るハードルは高くなってしまいますが、きちんと社内で取り組みを決めていけば、実際に進めている会社様で80%から85%ぐらいの来場アンケート取得率を高められているので、そこはやりようによってはきちんとアンケート取得ができると思っております。
その上でデータが全て電子的に取れてきますので、分析も容易にできるようになりますので、販促やお客様のニーズを捉えやすくなるというのがZohoでのアンケートです。
(宮井)例えばメールで問い合わせがあった方と、アンケートを書いて下さった方の突合もできるということですか?
(曽根)そうですね
例えば苗字だけで突合してしまうとか、あとはメールアドレスであったりとか、電話番号を取得しているようであればそこで突合することは可能ですから、より正確ですね。
もう一つ管理面の話でいくと、日報の管理があります。
Zoho上で営業マンがそれぞれ日報を打ち込んでしまえば、その日報が自動的に集計されて、今日は何組来場されて、何台成約になったのか、あとは付帯品としてこういうオプションを付けることができたとか、保険を獲得することができたのか、みたいなところも全てZoho上で管理できるようになっております。
よく今まであったのが、皆さんが使いやすいLINEを活用してLINEで営業の進捗を報告していたのですが、そうするとやはりそのデータは蓄積されませんし、どんどん流れてしまうので、特に投稿したものに対して分析をかけるのができませんでした。
それがZoho上で発信することによって、そのデータが毎日積み重なっていきますので、そのデータも自由にカスタマイズして可視化できるので、そういう日報の管理も中長期的には効率的にもなりますし、データとして活用ができるようになっていくのかなと思います。
(宮井)佐藤さんの営業担当の方が、「佐藤さんにこれを付帯しました」みたいな日報を書くと、佐藤さんの結果の所にデータがマージされる感じなんですか。
(曽根)そういう仕組みも、作ろうと思ったら作れると思います。
なのでZohoに関して、基本的に社内でこういう業務フローを組みたいとなった時に、こういう業務をした時にこ、ういうふうにZoho上に反映されるようにしたいとやっていけば、全部データとしては集計ができるようになっていきます。
Zohoを導入する上での注意点は?
(宮井)いろいろできますね。
ちなみに、Zohoはそのパッケージを、例えば45個あるうちの6個だけ入れれば、今みたいなことができますか。
(曽根)Zohoの場合はその6個を入れたとしても、機能としては使えるものがございます。
とはいえ、社内では多分使いづらいものになっていると思います。
というのもZohoの場合は、それこそ自由にカスタマイズできるようになっておりますので、自社でどんどん開発をかけて使いやすいものにしていって下さい、というのがZohoのスタンスになっております。
なので、今船井総研でも自動車販売店さんが、実際に触りやすいZohoを型として作っております。
そこは、他の会社様に協力して頂きながら、よく自動車販売店で悩まれるような課題も全て反映した上で、全て開発をして今各自動車販売店さんにモジュールとして展開している状況です。
(宮井)現在、船井総研では業種ごとのモジュールを開発しています。
業種特化した船井総研ならではの提供できるサービスだと思います。
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